載せていただきます。
今後の日本の外交政策の機軸をなすであろう動きです。
▼キャンベル「インド太平洋担当調整官」の大戦略
バイデン次期大統領は、カート・キャンベル元国務次官補
(東アジア・太平洋担当)を「インド太平洋担当調整官」
に指名しました。
キャンベルさんは、民主党の中では「対中強硬派」として
知られている。
1月12日、「フォーリン・アフェアーズ」に彼の寄稿文が
掲載されました。
キャンベルさんは、
「アメリカはすべての議題に焦点を合わせる大連盟を構成
するよりも、既存の主要7カ国(G7)にオーストラリアや
インド、韓国を加えた『民主主義10カ国』(D10)のよう
な個別問題に焦点を合わせる、個別生産型または現場即席
型の体制を追求しなければならない」
と主張しました。
どういうことでしょうか?
要は、「いろいろな反中同盟をつくる」ということみたい
です。
<同氏はこの民主主義10カ国(D10)の会がアジア内外の
通商、技術、サプライチェーン及び標準の確立問題におい
て、最も緊急課題であると指摘した。>
(HANKYOREH 1月15日)
キャンベルさんは、G7にインド、オーストラリア、韓国を
加えて、「民主主義10か国グループ」(D10)をつくりた
いのですね。
ちなみに、これを提案したのはトランプさんです。
(彼の提案は、ロシアも加えたG11でしたが。)
<特に、インド太平洋戦略の中枢とされるクアッド(QUAD:
米国、日本、インド、オーストラリア)連合の拡張を通じて、
中国の軍事力に対する抑止力を追求できると主張した。>
(同上)
今、「自由で開かれたインド太平洋戦略」の中枢は、日本
、アメリカ、インド、オーストラリアです。
最近では、イギリス、フランス、ドイツが、これに加わる
意志を示している。
日米豪印は、さらに、アセアン10か国を引き入れ、「巨大
反中同盟」を創ろうとしています。
キャンベルさんの主張は、ここでもトランプ政権と変わり
ません。
<また、日本及びインドとの協力を通じて域内インフラ投
資に対処することを提案した。>(同上)
これは、アメリカ、日本、インドで、中国の一帯一路に対
抗していくということでしょうか。
<人権問題に関しては、新疆ウイグル自治区の収容施設や
香港の自治に対する抑圧を批判する約20以上の国家と連帯
して対処すべきだと主張した。>(同上)
20以上の国でまとまって、ウイグル問題、香港問題を批判
していくそうです。
<キャンベル元次官補は「こうした多様な連盟はそれ自体
が大戦略であり、ある場合にはバランスを作り出し、また
別の場合には地域秩序の重要な側面に対する合意を強化し
つつ、中国の歩みに内在する危険があるというメッセージ
を伝える」と述べた。>(同上)
「多様な連盟 = 大戦略」 だそうです。
まとめると、バイデン政権は
・G7にインド、オーストラリア、韓国を加え、D10グル
ープをつくり、中国に対抗する。
・「自由で開かれたインド太平洋戦略」を推進するクア
ッドを拡張し、中国に対抗する。
(候補は、イギリス、フランス、ドイツ、アセアン10か
国)
・アメリカ、日本、インドで、中国の一帯一路に対抗し
ていく。
・20か国以上の国と共に、ウイグルや香港における中国
の人権侵害を非難していく
ということみたいです。
トランプさんは、「アメリカファースト」であると同時
に、「単独行動主義」でした。
それで、同盟国を非常に軽視してきた。
彼は、一所懸命中国を叩きましたが、みんなで一緒に叩
いた方が効果的でしょう。
バイデン政権は、同盟国重視で、じわじわと中国を追い
詰めていくでしょう。
日本は、米国および同盟国と協調していくとともに、
経済的に重要な関係にある中国と付き合っていかねばならない。
中国に傾注しすぎないよう、国内の親中派に注意しなければならない。
菅政権の外交姿勢を注視していきたい。
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